2010年10月2日土曜日

【書評16】 ヒトはどうして死ぬのか


  
ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎   田沼靖一

 お久しぶりで御座います。約1ヶ月ぶりの更新。  
何となく間が開いてしまいましたが、、、、

 更新しょっぱなから  ” どうして死ぬのか・・・"
いや別に悩んでいる分けではありませんよ。。。チョットダケ....

 副題に、死の遺伝子の謎 とあるように、遺伝子に死がプログラムされているというお話。

細胞の死は、
 プログラム死:
       ①アポトーシス(自死) と ②アポビオーシス(寿死) 。
 事故死 :③ネクローシス 。
この内、①②は遺伝子にプログラミングされた死。 
だからヒトは100歳ぐらいまでしか生きられない。
100歳に近づくと、ヒトの細胞はプログラム通りに寿死、自死に向かいます。
 そして、このことが最近わかってきたというのが意外ですね。最近ねぇ。
不老長寿を目指す!っていう人がいますが、限界が既にプログラミングされていたのです。

 ところで①ですが、これが生きるために非常に重要で、例えば貴方の指。
指が指の形をしているのは、ドラえもんハンドみないな構造から指の間の細胞が自ら死んで、指形状が残ってできた構造なのです。
 つまり、大きくバクッと作っておいて、要らない部分の細胞が死んでヒトの形が出来上がるということ。
だから今生きている貴方の細胞と貴方の形のために死んでいった貴方の細胞、その両方が貴方を作り上げたのです。
ネクローシスは(注意や努力で)回避できても、アポトーシスとアポビオーシスからは逃げられませんよ。
今のところ。でもファームアップ??ムリカ
 アルツハイマーもアポトーシスと考えられているようですが、回避できないものでしょうか!

 さて、後半で著者が述べていることが興味深いです。
・ヒトの寿命が長いのは、子を育てるため (図21あたり)
 子を生んでからの寿命が特別長いとのこと。
 なぜ長いのかは?ですが、これがあったので、子へ、孫へと知識を上乗せしていくことによって、高度な知識文明を築き上げることに成功した。その大きな要因になったと思います。
・利他的な死
 生き物は子孫を残すために生きているとよくいわれますが、
まず、有性生殖を選択したときに” 死 ”が始まった。
有性生殖は2つの個体の混合で新しい生が生まれるということ。
無性生殖は複製が続くだけですが、変化に弱い。
有性生殖により、新しい個体を作ることにより、常に変化していく。

 しかしこれは、自らと同じ個体は現れないということであり、また前の個体より進化した次の個体が残っていく
これを見届けたら自らは既に不要。
自然の中で生きることで利己的な存在ですが、後世を残した後では不要となり、自らを消し去る仕組み①②により利他的な死を迎える。
全体の中で、自らが一定の役割を担っているのであり、全体が継続していく中の一瞬に自分が存在したに過ぎないということでしょう。
 ヒトは皆 はかない存在ですね 。  

 最後はやや抽象的(哲学的)になっており、著者が気持ち的に納得した(最近 納得してきた)ことが書き綴られており、共感もできるのですが、 自分なりに自問自答そして納得していきたいです。ハイ。 



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